腰椎分離症外来

成長期腰椎分離症(腰椎疲労骨折)はスポーツをしている子供に起こる病気で、主に中学・高校生に多いですが、まだ骨が未熟な小学生から成長期を終えた大学生にまで認めることもあります。多くの場合腰を反ったり捻ったりすると痛みがでますが、痛みが1週間以上続く場合には疲労骨折の可能性がありますので、その場合には早期受診を勧めます。レントゲンでは発見できないため、MRIという検査を行う必要があります。もし骨折を認めた場合どのくらいの骨折(ひびの状態)かを判断するため次にCTという検査を行います(写真画像)。

MRI(左図矢印)にて骨折の有無を診断し、CT(右図矢印)にて骨折の程度を確認する

治療に大事なのは、その骨折した部分の骨がくっつく(骨癒合)のか、またその期間がどのくらいかかるのかが重要と考えています。骨をくっつけるためにはスポーツの休止・コルセットによる固定を行います。骨折によっては進行している状態でくっつかない例もありますし、くっつくにしても長期(例えば3ヶ月)にわたる例もあります。長期のスポーツ休止は患者様の身体的・精神的な負担になりますので、このような場合には骨折したままでもスポーツを継続させることが本人にとって最良であることもあります。目指す大会があれば骨折をなおさずに治療を行っていく場合もあり、これらを本人・ご家族と相談のした上で治療方針を決めてまいります。

腰椎疲労骨折治療の最終目標は“痛みがなくスポーツに復帰し、次の骨折を起こさせない体づくりをすること”であり、骨折を直すことにこだわる必要はありません。最も重要なのは骨折をしてしまった原因となる身体的不良を治していくことです。ほとんどの患者様に体(上・下半身)が硬かったり、使い方が悪かったり、体幹の支持性が足りなかったりといった身体的不良が認められます。リハビリを行いこれらの身体的な向上を目指すことで、最後は痛みがなく競技復帰できること、再度骨折を起こさせない体づくりを目指して我々は治療を行っております。プロスポーツ選手にはくっつかなかった骨折(分離と呼びます)をもっている方もたくさんおられるのです。治療を終えた際に本当にやってきたことがよかったと思えるように支えて参ります。

我々はこれまでにたくさんの患者様の治療を行ってきました。その治療実績は国内でも有数であり、これまで国内・外で学会報告を行ったり、国際論文にも受理されており、認知度も高まってきております。
ぜひ長引く腰痛で困っておりましたら当院を受診してください。

投稿論文

Clinical Features and Therapeutic Process of Sacral Fatigue Fractures in Adolescents.
Hiranaka Y, Miyazaki S, Inoue S, Ryu M, Kuroshima K, Yurube T, Kakutani K, Tadokoro K. Am J Sports Med. 2024 Jul
Rate and Duration of Bone Union for Conservative Treatment in Pediatric Lumbar Spondylolysis.
Kuroshima K, Miyazaki S, Hiranaka Y, Ryu M, Inoue S, Yurube T, Kakutani K, Tadokoro K. Spine (Phila Pa 1976). 2024 Aug
Risk Factors for Non-Union After Conservative Treatment for Pediatric Lumbar Spondylolysis: A Retrospective Case-Control Study
Kuroshima K, Miyazaki S, Hiranaka Y, Ryu M, Inoue S, Yurube T, Kakutani K, Tadokoro K. Am J Sports Med. 2024 Sep

実績

腰椎分離症のリハビリテーション
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